青森に恋した🍎 5 宮越家離れ ~甦る襖絵~

いよいよ廊下を歩き襖絵のある部屋へ
詩夢庵で一番格式の高い「奥の間」
「春景花鳥図」と対面

金銀が豊富に使われ
桜や孔雀、渓流など華やかに描かれている
襖の引手の形とデザインが一致していることから
大英博物館所蔵の「秋冬花鳥図」と一連の作品と判断される
この引手 いま作ると ひとつ700万円するとか・・・

作品の痛み(焼けなど?)を防ぐため
家屋内は全てフラッシュ撮影は禁止

なので部屋の中は薄暗く
作中の絵を細部まではっきりくっきりと見ることはできない
手前に柵があるので近づいて見ることも不可能

そして今回はCanon綴(つづり)プロジェクトにより
海を渡った大英博物館所蔵の「秋冬花鳥図」が本物そっくりに並び
八枚の作品が見事に揃って私たちを迎えてくれた

デジタルの技術がここまで再現できるのに驚きと感嘆
皆さん声にならない様子で
暗い奥の間の襖絵に目を凝らす

ただただ華やかさと襖のサイズの大きさと
保存の良さにも驚かされる

奈良県の談山神社から流出し
9代当主正治氏が買い取り青森まで運ぶ

ステンドグラスもそうだけど
よくまあ壊れもせず破れもせず傷もつかず
ここまで運んできたものだ

キャノンさんのお陰で八枚の揃った襖絵も拝見させていただけた
数々の書や調度品も随所に配置され
それらは横山大観などの名立たる作家や書家のもの

ほんのひと時縁側に座り大石武学流の庭園を眺める
地名「尾別」のアイヌ語解釈「静かに川の流れるところ」から名付けた静川園
池にはあやめが美しく咲いている

はあー
すばらしいやら驚くやらの連続で
あっという間に見学の時間はおわりを迎える

最初に敷地内に入ったところに手水鉢があり
その水面に月が出ているのが映り
月見をされるのだそう

なんて趣があり風流なんだろう
その手水鉢の前をまた通り
もう少し居たい また来たいと
後ろ髪を引かれる思いでお屋敷を後にした

職員さん・ボランティアの皆さま
キャノンさん
宮越家の皆さま
詩夢庵にある貴重な作品の数々
庭園まで公開してくださり
ありがとうございました

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